CHIAKIほおずき
2013年度テーマ「体調管理をケアに活かした取り組み」

発表テーマ

「意識統一によって改善された生活」

発表者:Y・M
CHIAKIほおずき姫路高岡
グループホーム

目的

対象者① S様
・入居当初便秘の症状は無かったが、二年程前より身体機能の低下により
便通が悪くなり、下剤を頓服として服用開始となった。

・便秘がひどくなり定期的に服用となる。
・便秘の悪化伴い下剤の調整を行うが不定期の排便が多く、座薬を使用し排便を促していた。
・便秘が続くと発熱や腹痛もあった。
・トイレの誘導のタイミングが悪く、便失禁が多くなった。

現在の援助方針
「水分を出来る限り摂って頂き、なるべく薬を使用しないように便秘改善をしていく」

対象者② N様
・もともと便秘症で一週間に一回の排便であった。
・入居後、5月頃より頓服として下剤服用開始するも、改善が見られず
・定期で服用する事となり排便の調節をしていた。
・下剤の服用の結果、急な便意の訴えによりトイレに間に合わなくて突発的に便失禁されることが多くなった。

現在の援助方針
「便秘の状態による本氏の身体の負担を軽減し清潔で快適な生活を送れるようにする」

☆グループホームが抱える問題「医療依存」を防ぐために…
・身体機能の低下や薬の増量の為、便秘をされる方が増加しているのではないか?
・日中の運動量の減少に伴い浮腫の見られる方が多くなった気がする…
・嚥下機能が悪くなり水分摂取が難しい方がいる。

話し合いの結果、医療と介護の連携ができ、薬の調整ができる便秘の方が増加していることに
目を向け「自然な形で便が出るようにする!!」と言うことを目標に掲げました。

方法

○朝にオリゴ糖をかけたヨーグルトを小鉢(100g)一杯摂取。
○10時のお茶の時間にバナナジュース200mlを必ず摂取して頂くように提供し声掛け。
○1日2回テレビ体操(活き活き体操)を行うよう環境作り。
○トイレ時や入浴時などに腹部マッサージを行う。
○食事のメニューに食物繊維を多く含むものを取り入れ調理を心掛ける。
→汁物に食物繊維を入れて提供。
(主にご飯は雑穀米を使い、おかずはゴボウ・サツマイモ・キャベツなどの食物繊維を意識的に入れる)

★便秘改善の食材とレシピの作成
張り紙を作り職員間で提供する量を統一しました。

食事 量

 

 

 

 

 

食物繊維が多く含まれている食材一覧表を参考に意識してメニュー作りをした。

★食事内容の改善
主食を一日一食、雑穀米を使用して摂取して頂きました。

食事

 

 

 

 

 

 

ゴボウなど噛みづらい食材は食べやすいようにピーラーで薄く切ったり、
ミキサーにかけて具に混ぜて提供しました。

★経過観察ノート
状態変化の把握を図るために毎日の食事内容・摂取量・運動量・生活面の変化等をノートに記録して
週に一度カンファレンスを行い経過報告・改善点を話し合っていきました。

S様(体操の様子)
初めはテレビを見て頷かれるだけでしたが、
毎日かかさず職員が傍で一緒に取り組むことにより、今では一生懸命取り組まれています。

N様(体操の様子)
初めは小さな動作ばかりでしたが、
今では大きく掛け声を掛けながら取り組まれております。

皆様と一緒に取り組む習慣を身につけたことにより、日々の日課として楽しく取り組まれるようになりました。

(食事の様子)
食物繊維を多く含む食材を提供する事により、よく噛んで食べるという方が多くなりました。
食事を残されることの多かったS様も定期的に運動をされることによって以前のように食欲が戻りました。
バナナジュースを摂取されることによりすぐに効果が見られ快便になる方がいらっしゃいました。

S様経過報告
~一ヶ月後の結果~
定期的に便が出るようになった(3~4日目)
~新たな問題点~
ヨーグルトや水分は食感が無い為か口に含んだまま飲み込もうとされない。
~改善案~
★バナナジュースにリンゴを加えミキサーの掛け具合を調節し固形が残るようにする。

経過報告(N様の場合)
~一ヶ月後の結果~
下剤を中止しても自然便が出るようになった。
~新たな問題点~
次の排便までの間隔が空いてしまうことが多かった。
~改善案~
★バナナジュースを200ml→300mlに増量。
★便が3日出なければ朝にバナナ1本を摂取していただく。
★腸を活発に動かすためにお腹にホットパックを使用して様子観察を行う。

結果

1月末現在(S様の場合)
発熱が無くなり腹痛の訴えが少なくなった。
日中、表情良く過ごされるようになったが、便は4日でない時もある。

1月末現在(N様の場合)
体操や食事の工夫をしたことによって、必ず4日目までには排便があるようになり本氏への負担が軽減された。
また便秘気味になられた時の対応がスムーズにでき、改善することができるようになった。

1月末現在(フロアー全体)
快便効果はもちろんのこと活き活き体操のDVDを流すことによって自発的に運動をされるようになった。
バナナジュースを飲まれることによりなかなか水分を摂取されなかった方が、水分を取られるようになった。

※便秘が解消されることによって様々な事が改善に繋がる!!
「出来る事なら何でもしますよ」と意欲的に家事に取り組まれています。
便秘の気持ち悪さが改善され、穏やかに過ごされる方が多くなりました

まとめ

~職員の意識について~
★便秘改善に効く食材を摂って頂こうという気持ちの改善をすることにより、
ゴボウなどの噛みづらい物でも食べやすくして提供することによって利用者様も美味しく召し上がられている。
★朝・夕にDVDを流し利用者様の横に付き一緒に体操をするようになった。
※職員の意識改革で利用者様の生活はより良いものになるのではないか

初めは便秘解消を目標に取り組んできたことが、水分不足や運動量の改善など様々な問題を解決できました。
そして、どんな問題や行動もすべて繋がっており一つ一つ解決することにより、
利用者様が快適な生活を送って頂けるということを再認識できました。
また、職員の意識改革で不安を安心へと変えていけるケアを
チームとして取り組めることがグループホームの利点だと思います。
これからも利用者様のより良い生活に貢献していけるように
小さな問題でもチームとして取り組んでいきたいと思います。