CHIAKIほおずき
2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

⑥ 2015年度『最優秀賞』

発表テーマ

「生と活のある食事を目指して」

発表者:H・J
CHIAKIほおずき姫路津田
デイサービス

目的

対象者 Y様 要介護5
生活機能訓練というテーマを受け
介護を必要とする人の生活にある希望や楽しみ、
その人らしい生活を築く為に必要な訓練として、何を支援できるのか皆で検討しました。
また生活する事とはどういう事なのか考えてみる機会を作りました。
食事(見守り、途中より介助が必要である。粥、ミキサー)
ご本人が自宅で一番楽しみにされている事:食事
家族は入院時と同じミキサー食を希望←生への不安
Y氏は少しでも形のある食事をしたい←活への希望
食事:スプーンとお箸をもう少ししっかり使えるようになれたらと思う

 

方法

スプーンとお箸でつかむ練習
スプーンやお箸を口まで運ぶ動作の練習
食事中の姿勢保持の為の練習
咀嚼・嚥下状況の確認
食事形態を本人が望む状況、家族が安心できる状況作り

 

結果

退院当初の状態
姿勢に傾きがあり、右腕は口元まで腕を運べず、
左腕はテーブルから10センチ程度しか上がらずお椀もしっかり持てない状態。
食事形態はペースト状に近いミキサー食であった。咽等無し。
会話中の言葉は少なく、「迷惑かけてごめんね」という発言が多かった。
平成28年1月の状態
食事量全体の7割(30分目安)までは自力摂取が可能
(座位姿勢も保てるようになり、お椀も左手で持ち傾く事も減少、
箸とスプーンにて口まで運べる状態)。
食事形態は形が分かる状態に変わり、咽る事もなくゆっくりであるが、しっかり咀嚼も出来る。
自ら話しかける事が増え、「ありがとう、嬉しいです、頑張ります」という発言が増えた。

まとめ

今回、Y氏の生活の中で楽しみである食事を通じ、
生活機能訓練の本質を探る為に生きることと活きることの違いが何か、
模索しながら事例に取り組みました。
利用者が望む生活機能を支援する(訓練する)とき、
当然『生きる』事が大前提となりますが、
その条件を満たしながら『活』きる為の具体的な目標と取り組みを発掘する事が
大切であるように感じました。
自分らしく生きるためには活きる必要がある事
自分らしく活きるためには生きる必要がある事
生活機能訓練を通じて生きるための支援と活きるための支援が
しっかりと結びつく事で、本人の生活は望むべき豊かなものに変わるのではないかと感じます。