CHIAKIほおずき
2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

② 2015年度『がんばったで賞』

発表テーマ

「私がやりたいこと」

発表者:K・K
CHIAKIほおずき揖保川
デイサービス

目的

対象者 S様 要介護1
脳梗塞後遺症による麻痺のため、出来ないことが増えてしまった
自分で買い物に行けなくなってしまった
段差や車の乗り降りが難しくなってしまった
以前できていたことをやりたい
○ご本人の思いとして一番大きいものは・・・
→「買い物に行って好きな物を自分で選びたい」
→「ご家族の助けなく車の乗り降りが安心して出来るようになり買い物へ行きたい」
○買い物に行けるようになるために・・・
→「現状ご本人一人で行くには危険が大きい」
○ご本人一人で危険が大きいのならば・・・
→「ご家族と一緒に店まで車で行くことで解消」
○ご家族の思い…
→「自分も高齢になってきており、背中も曲がり膝もしっかりと伸びなくなっており、
車の乗り降りを助けたくても助けられないという不安があるため、現状では一緒に買い物に行くことが出来ない」
○その店まで行くために・・・
→「車への乗り降りが出来なくてはならない」
これらを踏まえて、ご本人・ご家族にもご理解頂き、
大目標を
「買い物に行って好きな物を自分で選びたい」
小目標を
「車の乗り降りができることでお店まで行きたい」
としました。

方法

店内を歩くためにシルバーカーでの歩行練習を行い実践へ
体力の向上に伴って行った買い物訓練を通して、買い物においての動作に課題が新たに見えてきた。
○陳列棚の高い所から品物を取る動作がしにくい
→高い所の物を取る動作の練習を行う
○カートの方向転換やカゴを乗せていて押しにくい
→シルバーカーにてカゴを置いて押したり方向転換の練習を行う
目標の再設定<後期目標>
これらを踏まえて、ご本人・ご家族にもご理解頂き、
大目標を
「買い物に行って好きな物を自分で選びたい」
小目標を
「品物の取れる範囲を広げたい」
としました。

 

結果

現在では…
ご本人より
「前よりも余裕を持って店内を回れた。」
「カートもシルバーカーとは違うけどイメージを持って練習したことで間隔が近く感じることができた。」
「高いところのものはこの間より選びやすくなった。」
「少しずつ体力がついているのが分かる。このまま続けていくことで自信に繋がる気がする。」
○ご家族より
「今回は笑顔も多く、楽しめて行けたようにみえます。」
「実際に車の乗り降りの動作を見て、本人と私自身もこれまでの不安が和らぎました」
後期目標である「品物の取れる範囲を広げたい」では、同じ物で練習していたが、買い物練習で店には商品が色々あるので、少し取り出しにくい場面が見られました。それで練習内容をもう少し実際の状況に近づけることが必要でした。今後メニューを立てる際にどのようなところまで理解して作るかの重要性が分かりました。
ご本人からも「まだ高いところのものを取るのはしっかりできない。まだまだ練習していく必要がある。」と言われています。

まとめ

○目標に合わせた練習メニューを考えるのに、
ご本人の思いと状態の把握とどういった動作を練習するべきかよく理解することが重要だと分かりました。
○それぞれの目標を持ち、ご本人の目標達成に向けて他職種との連携を図れたことによりご本人の意欲向上に繋がったのではないか。
○今回の機能訓練を通して、ご家族も一緒に取り組めたことにより、本人が望む生活(=私がやりたいこと)に対しての協力してもらえる関係性を築くきっかけになったのではないか。
○生活機能訓練をおこなっていくにあたり、ご本人の思い、状態把握をしっかりと行いながら、ご本人の望む生活に向けて、ご家族と共に取り組んでいきたい。
○他事業所も利用している場合はそこでどのようなことをしているか把握することが重要で、支援事業所間のカンファレンス等を通じて連携を図ることにも努めていきます。
今後に向けて
○今回の事例発表を通して、職員が利用者様の自己決定支援について学ぶことができ、
機能訓練だけでなく、日々の関わりの中にもそういった行動が見られてきています。
今後もご本人が望む事が出来る生活につなげられるよう機能訓練として取り組んでいきたいと思います。