CHIAKIほおずき
2013年度テーマ「体調管理をケアに活かした取り組み」
⑩
「その人がその人らしく」
発表者:I・YCHIAKIほおずき加古川
グループホーム
目的
対象者 I様
平成20年3月に入居。
<既往歴>
15年以上前:腎盂腎炎(片方の腎臓は萎縮)
平成8年頃よりアルツハイマー型認知症・高血圧
平成19年腰椎圧迫骨折
その後、食事・水分量・活動量ともに低下する。
食事量は、お茶碗半分程度
・水分量は、1日平均500~1000CC 以下。その為、経腸栄養液を主治医より処方される。
・圧迫骨折のためコルセット使用。
・痛みに伴ない歩行も難しくなり、車椅子で移動して頂くようになる。
・体調悪化にともない居室で臥床しておられる時間が増える。
・少しでも他の利用者様や職員とのふれあいを模索するも痛みで難しくなる。
・同時期に左下肢が浮腫み、歩行が困難になる。
・下肢浮腫悪化による痛みもあり、家族希望にて訪問マッサージを行われる。
・その頃より排泄もでにくくなり、ご自身で訴えられることもなくなる。
・水分量も減り、主治医の指導による点滴実施(7月末に3日間)
・平成25年11月初旬より発熱・体調悪化・酸素濃度低下・誤嚥性肺炎の為10日ほど入院。
・退院時に臀部に剥離、踵に褥瘡が出来ており、足元を挙上で対応する。
・退院後、体調が戻らず、一時的に訪問看護を利用する。
・腎臓機能低下・水分摂取量減少(平均800CC程度)のため、排泄が24時間以上でないことも多くなる。
・血圧低下にともない手指にチアノーゼがでておられる。
・居室内で、ベッド上で過ごされる事が多くなる。
このように、グループホームCHIAKIほおずき加古川では
オープン当初よりご利用の方もおられ、長い方で10年以上ご利用されており、重度化が進んでいる現状です。
要介護度5・車椅子利用の方が、6名おられます。
介助にて歩行可能な方3名・自力歩行可能な方が9名です。
現在の平均年齢85.3歳。(祭高齢93歳)
そして目標として「寝たきり、寝かせきり、独りにしない」事を考え、
お一人お一人の体調や状況に合わせて介助を行っています。
方法
<利用者様全体への体調管理へのアプローチⅠ>
~パートナーと共に生活リズムを作る~
・午前中:ラジオ体操
・食事前:誤嚥を防ぐ為の口腔ケア体操
・おやつ前:利用者様の希望にあわせたレク(簡単な体操や歌など)
●咀嚼・嚥下状況に応じた食事携帯を提供する。
普通食、キザミ食、ミキサー食
~食事アンケートを実施~
・食べたいもの
焼き飯・ハンバーグ・みかん・カレー・カニ・お抹茶とおまんじゅう・おいしいお茶
・苦手なもの
とくにないよ。なんでも食べるよ。等…
例)2014年お正月
利用者皆様の要望により手作り御節を食べていただきました。
・レクリエーションの実施
(お誕生日会・外部ボランティア・学生のレク・歌等)
・ご家族様との蜜な連絡
(月1回のほおずきニュース・適宜連絡)
<利用者様全体への体調管理へのアプローチⅡ>
~外部の方への委託~
・各利用者様の主治医の往診:2週間に一度
・必要に応じての受診
・歯科医による往診:適宜
・歯科衛生士による口腔ケア:適宜
・歯科医による職員への口腔ケアや義歯管理などの指導
結果
I様の現在は…
・主治医からの提案で、血圧の薬が終了する。
・徐々に血圧も上がり、元気になってきておられる。
・水分量増加(1000~1500CC)
・食事も少しずつ食べられる。
↓
少しずつ元気になってきておられます。
まとめ
その他にも…
~安心して過ごして頂ける精神的なケア~
・ADL面や体調面だけでなく、仲の良い利用者様と一緒に過ごす時間をもって頂いたり、
職員と一緒にお茶をするなど、安心していただく配慮も行っている。
・不穏などで、落ち着かない時は、ゆったり話を聴くことのできる環境づくりを行っている。
生活リズムの調整、外部委託、精神的ケアなどの連携により、よりよい生活を送ってもらえる。