CHIAKIほおずき
2013年度テーマ「体調管理をケアに活かした取り組み」
⑨
「チームケアで支える」
発表者:T・ACHIAKIほおずき明石西
グループホーム
目的
対象者 A様 要介護2
既往歴:認知症、出血性脳梗塞、肝機能障害、胆石症
便秘症、両眼の疾患、甲状腺機能低下症
生活状況:洋服が好きで、下着にもこだわりがあり、1日に7回ほどの着替えを行う
性格はいつもにこにこと穏やかで誰とでも会話ができる
日常生活動作は、自立している
目標『尿意があるので日中は普通の布パンツで過ごしたい』
しかし、実践途中で体調を崩され入院
↓
施設対応:『入院前と同じ様に穏やかに過ごしてほしい』に変更
方法
・経過
7月下旬 歩行が不安定で、ふらつきがあり、左側への傾きもみられる。
左手の握力も弱く、3日前より血圧も高い状態。
↓
内科受診
所見:一過性で血流が悪くなった為に起こった症状だと思う、とのこと
施設対応:居室の温度を調整、経口補水液を毎日一本飲むことで、水分補給を徹底する。
9月頃
・トイレットペーパーを多量使用。→流せない
・言葉が出ない。理解しにくい
・服を着替えなくなった
・靴を履き忘れる
・顔に表情がない
↓
心療内科受診
所見:服用している薬で効き目がないなら、薬での改善治療は限界です
施設対応:家族様と今後について話し合う
最近尿汚染が増えてきた→紙パンツの使用
便失禁の増加→トイレチェック表から排便の誘導時間を決める
早朝には必ずトイレに座ってもらい、便器で排便できるように声掛けをしていく
生活の環境を調整し、安心して過ごして頂けるように支援する
経過
・11月末 朝7時頃、トイレ立ち上がり時にふらつきあり、立位保持できず。
・右手・右足脱力状態、呂律が回っていない
・救急車で脳神経外科へ搬送され、そのまま入院となる
・診断【左側頭葉出血性脳梗塞】
病院より流動食で歩行困難な様子を伝えられる
夜間の徘徊などで入院生活が難しい状態になり、当初の予定より退院が早くなる(入院期間11日間)
・12月初旬 退院
退院後の様子とカンファレンス
・退院後の様子
・同じ場所にじっとしていられない
・自分の部屋が分からない
・攻撃的な言葉・態度がみられ、顔つきも険しい
・服を何度も交換しなくなった
→退院後~現在までのご本人の状態についてカンファレンスを行う
施設対応:入院前の介護計画書は、ご本人が安心して穏やかに過ごされていたので、
それを基本として言葉と介助を今以上にゆっくりと行う
結果
現在では…
・朝7時のトイレ誘導で、排便はスムーズであり、排尿は24時間データをとり、失禁もなく行えている
・夜間は不快な思いをしないように、パットを一枚使用する。
・精神的に落ち着いてきた
・食事量も増えてきている
・以前の様に、何度も着替えをされるようになった
まとめ
●成功した対応…職員・家族様・医療と連携して、モニタリング・カンファレンスを行った
ことで情報共有ができ、チームとして早期発見・早期対応に繋がった
●失敗した対応…ご本人は、布パンツを履いてトイレは自立できていた。失禁が続いたとき、
すぐにデータをとらず、ご本人の思いを無視して、職員側の都合で紙パンツを使用してしまった。
☆病気をみるだけでなく生活をみて、家族様や医療との連携をはかる
☆職員の意識も変化してきた
☆健康管理に不安を抱えている為、体調を崩さないように今の状態を維持していきたい
今後に向けて
・排泄は健康をチェックするバロメータになるので、少しでも変化を見つけたら、
すぐに排泄データをとる
・尿意・便意があるので、日中だけでも紙パンツが外せることを目指す