CHIAKIほおずき
2014年度テーマ「食べる」を視点にケアを考える
⑩
「声かけや蜜な関わり」
発表者:J・KCHIAKIほおずき播磨
グループホーム
目的
対象者 S様 要介護1
食事形態 副食 一口大
・食事量 5~7割
・大人しい性格で口数も少なく感情を表に出さない
・目線がまっすぐで食べこぼしが多い
・あまり噛まずにお茶や汁で流し込んでいた(食べ終わるのが早い)
・食事になかなか手を付けない
・途中で箸が止まり嫌々食べている様子
食事を楽しんでいなかった
7月下旬
朝 発熱
昼 病院受診
原因不明のため様子観察
7月下旬
熱が下がらず入院
発熱が続く
・寝たきり
・浮腫が出ていた
↓
バルーンを入れ浮腫が取れる
・お茶ゼリー、全粥、ペースト食
・食事が摂れず点滴
10月初旬に退院
以前から食事に問題のあるS様
⇓
グループホームの環境に戻られ、入院前よりも食事を楽しめるように!
方法
入院中はS様の名前を呼びかけ続けた
食事の様子
病院
・場所も変わらずベッドで食事
・カロリーを考えた味気のない物
・病院の食器
・たった一人で食べていいた
⇓
施設
・彩り、盛り付けを工夫している
・家庭的なメニュー
・自分専用の食器
・みんなと一緒に食べられる
環境の違い
退院2日目の食事では
食事形態
・お粥、きざみ食
・スプーンを使用
食事の様子
・背もたれにもたれかかっている
⇓
背中側にクッションを置く
必要に応じて声掛け
周りからの影響
「綺麗に全部食べてくれましたね!よかったです!」
「綺麗に洗濯物たたんでくれましたね!ありがとう!」
「しっかりと歩けるようになりましたね!すごいですね!」
「計算速いですね!また教えて下さいね!」
等の声掛けを積極的に
結果
現在では…
すべて自力摂取
・正しい姿勢
・スプーンとお箸を使い分けている
・以前の食事形態へ変更
(副食は一口大、主食はご飯)
正しい姿勢でしっかり食べ物を見ている
→食べこぼしがなくなった
→強く噛んで出すことがなくなった
・よく噛んで食べている
→ゆっくりと食事を摂っている
・配膳されると手を合わせて「いただきます」
食事中には「これ美味しいね」と言うようになった
食事を楽しんでいる
性格の変化
言葉数が増えた
・声が大きく笑顔も増えた
職員の何気ない声かけや気遣いが嬉しかったという気持ちから
・他利用者の世話もするようになった
明るく優しい性格へ
まとめ
10月下旬、夜中の独語が始まる
自然と口の周りや首の筋肉が鍛えられ咀嚼が良くなった
初めて話した独語の内容は「褒め言葉が嬉しかった」
(その日歩行が出来るようになり職員全員で大喜びした)等のエピソードから
職員がかけた言葉をSさんはしっかりと自分の記憶として残していた。
・生死をさ迷ったSさんの置かれた環境の変化や職員の声かけから
意欲がわいて食欲が生まれた。
・食べることで元気になれる。食べることは生きること。
声かけの大切さに気付くことが出来た