CHIAKIほおずき
2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」

発表テーマ

「高齢者のお風呂について考える」

発表者:T・Y
CHIAKIほおずき姫路阿成
グループホーム

目的

【入浴の意義や大切さについて】

①身体を清潔にすることと
②リラックスすること

  対象者①H・U様 98歳

≪主な病歴≫
・陳旧性心筋梗塞
・心筋梗塞
・不眠症
・高血圧
・腹部大動脈瘤

対象者②O・Y様 95歳

≪主な病歴≫
・多発性脳梗塞
・高血圧
・胸椎圧迫骨折
・アルツハイマー型認知症
・左大腿骨骨折

対象者③T・K様 87歳

≪主な病歴≫
・脳梗塞
・脳血栓
・右大腿骨骨折

■問題点■

<T・K様>
入浴する事は理解できるものの衣類の着脱や座位姿勢の保持を負担に感じ、拒否傾向にある。

<O・Y様>
理解力低下により入浴する事を理解できない事が多くなっている。

<H・U様>
入浴する事は理解できるものの、寒さや羞恥心から衣類を脱ぐ事を拒否する事が多い。

方法

【入浴を支える福祉用具】

・清潔を保持する。
・末梢循環が促進される。
・血流障害の予防と改善。
・疼痛緩和。
・入眠促進効果。
・リラクゼーション
・ストレス緩和効果、爽快感が得られる。

【デイサービスとの話し合い】

・湯の温度設定
・浴室と脱衣場の室温差
・状態に合わせたマットやタオルの使用
・シャワーキャリーの操作方法
・浴室段差デイサービスの浴槽の活用

【入浴を拒否する理由・・・】

・裸になるのが不安
・何をするのも億劫
・脱いだ服を盗まれるのではないかと気になる、誰かに見られていると思う
・身体障害のために入浴動作そのものができない
・入浴するということ自体が理解できない
・浴室に幻視が現れる(レビー小体型認知症)

【対処方法の心構え】

・手を変え品を変え、勧めてみましょう。
・衣類やタオルなどを一緒に準備しましょう。
・断られたらあっさり引き下がって、しばらくしてまた誘いましょう。
・楽しい入浴にしましょう。

【入浴する事を理解できない方】

・はじめは足浴からでも
いきなり入浴が無理な場合は足浴から始めることも良いでしょう。「気持ちいい」を実感していただくことで、全身浴につなぐことができます。
・いったん入ってしまうと
入浴前には強く抵抗した方でもいったん入ってしまうと、入浴後に「気持ちがよかった」と言うことが多いようです。今度はお風呂から出るのを拒否することもあります。このような場合は、介助者もお風呂に入って「一緒にあがりましょうか」と言ったり、「ご飯ですよ」などと気を引くような言葉をかけることも良いでしょう。

【入浴介助の際の工夫】

身体の動きが悪くて入りにくい場合は、浴槽の高さと同じ椅子(台)をぴったり浴槽の横につけると、座りながらなかに入ることができます。詳しくは理学療法士、作業療法士などにお尋ね下さい。
ただし転倒の危険もありますので、くれぐれも滑らないよう気をつけて、無理はしないようにして下さい。

【幻視が現れる場合は】

浴室に幻が見える場合は、無理に勧めず幻が消えるのを待ちましょう。入浴は明るい昼間の方がよいかもしれません。壁や床の模様が気になる場合は、消せるものは消してましょう。

結果

■考察■

①段階を踏んでいき、お風呂に入れるようにする。

・最初からお風呂に入るということは難しいことが多い。
・最初は着替えからアプローチ。
・着替え→体をタオルで拭く→シャワー→入浴といったように段階を踏む。

②入浴が行いやすい環境で対応する。

・浴槽や更衣場所にプライバシーが確保されているか再度確認する。
・拒否を原因を知り、それに合わして対応することが大切。

③認知症の方の場合は様々な方法で試してみる。

・何が原因で拒否しているのか分からないことが多い。
・例えば声かけを工夫し、できるだけ自然な会話で着替えてもらい、そこから入浴にまで徐々に持っていくことが解決の糸口になります。

まとめ

■まとめ■

身体の清潔については、特に足の清潔が大切でしょう。加齢に伴い、足の筋力が低下するだけでなく、外反母趾などの障害が生じてくることも多くなります。健康的な生活を送るためにも、歩くことは基本であり、足の手入れ(フットケア)は重要です。
その他、入浴の際には、立ち上がりや座位保持の能力などの身体機能や、高血圧や心臓疾患などの医学的な禁忌事項などについても考慮しましょう。入浴は、精神的な安定の面でも大切です。日本人は、その習慣からもシャワーだけでは満足できずに、湯船に肩までゆったりとつかりたい気持ちがあるでしょう。たとえ高齢になって身体が少し弱くなったとしてもお風呂を楽しみたいといった気持ちに沿える環境作りやスタッフの対応こそがスムーズで負担の掛からない入浴が実現できるものと感じました。