CHIAKIほおずき
2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」
⑯
「お風呂っていいな~ 」
発表者:M・YCHIAKIほおずき神戸玉津
グループホーム
目的
CHIAKIほおずき神戸玉津の施設で入浴についての問題、課題を職員で
検討しました。入浴方法、ケアを今一度見直す事になりました。
■問題■
「入浴はみなさん喜んで入ってくださっている」「お風呂は好きと言われる方ばかり」
と肯定的な意見が多くを占めましたが、ふと
「各入居者様に出来る事をして頂かず、職員主導で効率重視の入浴介助を行っている可能性」
という、思いや意見が職員から上がってきました。
■課題■
現在の各入居者様が何が出来るのか?何を思っているのか?を職員全員で情報収集し、
課題を検討しました。
今回の事例では、一人の入居者様に焦点を合わせるのではなく、GH入居者全員の課題にし、
職員全員の意識も高める事が出来る事にも繋がる為に行いました。
<ほおずき神戸玉津の現状>
入居者様の半数以上の方が開設時よりご入居下さっており、年を重ねられ、
徐々に重度化しております。
<情報の整理>
●A様
他の職員は認知症の進行もあり、身体は職員が洗っていましたが、ある職員の情報収集からすると、
「タオルを渡し、声かけし、身体を洗って頂く伝えると、本人様の出来る範囲で洗って頂けます。」
とあり。
●B様
全介助が必要な方で、身体を動かす事が難しいと思った。職員がほとんどですが、ある職員の
情報収集からすると、
「何度か声かけをすると、腹部を洗って頂けます。」とあり。
etc…
違う職員の視点、気付きは勉強になり、入居者様の自立支援にも繋がります。
<入居者様自身が行える事の情報共有>
・洗髪が出来ないと思っていた入居者様を職員で介助していたが、他の先輩職員からの
情報とアドバイスで、入居者様が出来る事を再認識する。
・認知症が進行し、物事を混乱する方には、声かけと手すりへの指差しで対応し
安全に浴槽に入って頂ける事が可能である。
etc…
<入居者様のお風呂への想い>
高齢者の方は身体を洗って、浴槽につかりゆっくり浸かる事が楽しみであり、
リラックスし、温もる事が大事だと思っています。
現代人は浴槽に入らない事が多くなり、シャワー浴で済ます事が多くなっています。
方法
入浴への楽しみ
1.入浴についての会話→入浴剤等を入れる事で、温泉等の会話を膨らませる事も出来る。
2.雰囲気を感じる。
3.温まる入浴の考案
4.季節を感じる→例;柚子風呂
5.各入居者様への配慮
・炭酸系の入浴剤
→血行を良くする効果があります。足の浮腫等が強い方におススメです。
・スキンケアの入浴剤
→皮膚の乾燥を防ぎ、肌の保湿効果にもなります。
お風呂に浸かる良さ
お風呂に入り、身体の疲れを癒す以外にも血行が良くなり、足の浮腫等の予防にもなります。
ですが、重度な高齢者を一般浴で入れる事は危険でもあり、職員への負担も懸念されます。
ほおずき神戸玉津では機械浴が導入されました。
シャワー浴だけでは、「寒い、寒い。」と言われてた方もおられましたが、
機械浴でお風呂に浸かると、「あったかいな~」と言われていました。
結果
- 温まる入浴の考案
入浴剤を入れて、入浴後も暖かいという入居者様の意見と笑顔が頂けました。
ただ浸かるのではなく、身体の芯から負担をかけないぐらい温まって頂ける様な
工夫だと思います。皮膚の状況、血流の流れを良くする治療にもなります。
入居者様別に入浴剤を変える事で、より良いケアにもなります。 - リラックス
季節を感じて頂ける様に、お風呂も一種の行事だと思って頂ける様に柚子風呂等を
工夫して、入浴が嫌な方でも入って頂けると思います。
ゆずの良い香りも、嗅覚から刺激になってリラックス効果も生みます。
<その他>
・足の浮腫が強い方とご希望の方で、足浴を行っております。日光浴しながら行っている時もあります。
・入浴後のマッサージも軽めにしています。足揉んだりして、リラックスして頂いてます。
まとめ
お風呂は、人が生きていく中でも、大切な時間です。
介護職員の目線ではなく、入居者様の目線で合わせた入浴が一番大切であり、
ADLとQOLの維持・向上にも繋がっていきます。
今回の事例発表で、「自立支援」という介護職員の原点に
立ち返る事ができました。今後も良いケアをしていきたいです。