⑪
対象者 K様 レビー小体型認知症
ほおずきでの食事が合わず、利用休止に
家族・本人様と話し合い、利用再開
「食べられる」を目指した取り組みへ
「食べられない」の発言が多く、食事を見るだけで「無理だよ」との声も…
⑫ 2014年度『がんばったで賞』
対象者 Y様 要介護3
大腸がんによりストマー・便秘あり
・食事中、ムセ(咳こみ)がある。笑顔なく食べられている。
・食事の形態も時折刻みにて対応。
・刻みすぎると何を食べているのか分からないということで残されることあり。
・食事時間が短く咀嚼が少ない。(昔から早く食べられる。)
目標:咽なく安全に楽しく食べていただきたい。
⑬
対象者 M様 要介護3
認知症日常生活自立度 Ⅲa
生活歴
①仕事を生きがいにされてきた
②趣味は読書
③独居生活が長かった 子供さんは2人
入居され3年目、最初問題なくお元気に食事をされていたM様ですが、
だんだんご自身で食事をして下さる事が減ってきている事に気付きました。
また、飲み物を提供させて頂くとM様はご自身で飲まれず、
テーブルの上にこぼされてしまう事やご自身で食事をされても途中で箸をおいてしまわれ
食事をそれ以上ご自身で召し上がられなくなる事が増えてきました。
この件を管理者よりグループホームの主治医と家族様へ報告させて頂きました。
主治医より体重の減少にも繋がりますし、まだまだお若いしお元気な方なので
認知症の進行もありますが、環境の改善を図っても良いかもしれませんと伺いました。
また家族様も同じ想いで是非施設の方で何とか改善をお願いしたいとのことで同意を頂けました。
そのため職員が、介助させて頂く事で食事を完食して頂いていましたが、
それでは自立支援のケアからは外れてしまうと感じM様はまだまだ出来る事は多いはずと
職員一同考え、以前のM様のようにご自身でご飯を食べて頂きたいと思い、
笑顔あふれる食卓へという目標を立て取り組ませて頂きました。
⑭ 『2014年度審査員特別賞』
対象者 計18名の利用者様
食事をおだししても好き嫌いや偏食により残される方が多く、
特に魚料理、肉料理、青菜の野菜をよく残されていました。
食事を残された方が、空腹を訴え、つまみ食いや間食などが多くなりました。
その日の気分によって食事量にムラがある方が増えたり、
認知症の症状により、食べることに集中できず食事をまぜてしまい、
食べずに終わる方が増えました。
そのため様々な問題がでてきました。
・食事量にムラがあり残す量が多く、十分な食事がとれず、体重の減少。
・皮膚の状態も悪くなり、褥瘡や剥離が増える、
その為、ラコールやエンシュアなどで補い栄養補給をおこなう状況の方が増えました。
全体として、3食の食事量が減り、お腹が空くからおやつを食べるという悪循環がおき、
食事に対して楽しみが薄れ、食べるという意欲も薄れました。
空腹の訴えが強く落ち着かれない利用者様がふえました。
自分から食事を召し上がらず、介助が必要になり、ADLの低下につながってきました。
食事が「おいしい」「楽しい」と思う気持ちが生きる意欲につながり、明日への糧につながります。
ですが今の現状では食事に対する楽しみも薄れてきてます。
食べないから代わりに別のものを召し上がっていただくのではなく、
どうすればおいしくごはんを食べていただけるか考え…このテーマをあげました。
高齢者の食事は、ただの栄養補給の為に食べるのではなく、
「見て楽しみ、食べて幸せを感じてもらえる」ように、食卓の演出や食事の形状
、介助のしかたを工夫することが必要だと思い、
見て、聞いて、触れて、味わってと五感を使って楽しめる食事だったら、
ご利用者さまも食事をおいしくたのしく食べていただけるのではと思い、
献立を変え、調理方法も見直し、工夫も加えました。
⑯
対象者 A様 身体障害者手帳1種1級 障害支援区分 区分5
A様の情報
母親、弟との3人暮らし
障害 両上下肢機能障害
音声・言語機能障害
A様の座位時の状況
元々身体が左側に傾いており、一定保持が困難
食事を食べるときの困難な事
・上肢の障害のため、手も硬縮があり、箸は 持てず、スプーン、フォークなどを持ち使用
・テーブルから口への距離があるため、なかなか口まで運ぶことが困難
・むせがあり、誤嚥が心配
・加齢に伴う身体機能の低下
食べる時間が長くかかる為、食べることも負担になっていた
食べることは好き…でも食べにくい
動物⇒生きるため、満腹になるまでただ黙々と食べ続ける…エサ
”人間らしく生きる”為に
楽しみながら味わって食べることができる…食事
を目指す。
①
対象者 姫路香寺利用者様
昨年、ノロウイルスに、利用者様、職員が罹患
いままで感染症予防をやってきたが、必要性を説明せずに行っていた。
★感染症にかからない
★必要性を理解してより効果的な方法で手洗い・うがいを行う
★日常生活の中でも習慣化していく
②
対象者 S様 要介護1
S様について
早くにご主人様を亡くしておられ妹様が1人おられる
ADLは自立されている
アルツハイマー型認知症
トマト・生ものが嫌い
家事全般されている(洗い物、洗濯、掃除など)
下痢をおこしやすい
・頻繁ではないが2~3日に1回はトイレにかけこまれることがみられている。
・日常生活において暗い表情をされる事が増えてきた。
・以前に比べて不安感や記憶力の低下が増してきている。
下痢の原因…食事環境、倦怠感、精神的ストレス、不眠、不安、不規則な生活など。
主治医・看護師からの意見
主治医の診断では感染症のものではない。
消化の良い食事の提供身体を温め血行を良くすることで腸の蠕動運動を整える
ストレスを受けにくい環境で介護していく
原因として
食事をよく噛まずに飲み込まれる事がある。
家族様への思いや金銭の心配をされる。
利用者様との会話などにて表情が暗くなる。
入浴時間が短く身体を温めることなく出られる事が多い。
これらを解決して 下痢症状の改善を目指します。
③
対象者① T様 要介護2
T様について
認知症日常生活自立度 Ⅱb
①他入居者様へ攻撃的な言動が目立つ
②お手伝い好き
③メイクや明るい色の服が好き(お洒落)
<T様処方薬変更前のご様子>
・エアコンスイッチのON・OFFを1日に何度も繰り返される
・夜間入り口のドアの鍵を閉め巡回中の職員を締め出す
・他入居者様に対しての暴言が毎日ある(泥棒!・きちがい!・うるさい!・座っとり!)
・自身の気に入らない職員に対して無視・強い口調で終始接する
・終始興奮していて、イライラしている
最終目標
ご自身でオシャレをして頂き、より一層美しくなっていただく!!
対象者② M様 要介護1
M様について
認知症日常生活自立度 Ⅱa
①過去には窓から出ようとしたりしたが、最近全く元気がなくなった
②終始ソファーで寝ている
③日中はトイレに行けるのに夜間の尿失禁が多発している
④ゴルフの話には積極的
<M様処方薬変更前のご様子>
・夜間の尿汚染が毎日ある
・活気が無く、一日の動きが少ない
・意思疎通が出来にくくなり、仕事の話・ゴルフの話など、ほとんどされなくなった
・気分の波が大きい
最終目標
若い時に毎日趣味でしておられたゴルフをもう一度!
④
対象者 播磨利用者様
職員は最初の頃口腔ケアを
「利用者様の口腔内を清潔にし、歯茎や歯の良い状態を保つこと」
こんな風にとらえていましたが、だんだん意識が変わっていきました。
目的
口腔ケアによる体調管理
⑤
対象者 姫路阿成利用者様
利用者様それぞれに違った支援が必要…
ご家族や医療との連携を強化して
・血糖値測定
・体調管理表の作成
・情報提供をしっかりと
薬剤師による居宅療養・訪問薬剤管理指導
の上で、目標は「楽しく食べていただくこと」
外部審査員の声をご紹介します。
「外部審査員より」
石川 立美子氏 いしかわ たみこ介護共育研究会代表
「おとな(介護職)の研修」について研究。デンマーク、カナダ、アメリカなどを訪問し、福祉先進国の現場を体験。現在は、豊富な経験と知識をもとに、コンサルタント業務・研修講師・地域づくりアドバイザー・雑誌連載など多分野で活動。
本人の目線(アイ)・思いやり(愛)・主体的な私(I)を大切にした、石川立美子の目のつけどころ(アセスメント)から、暮らしを豊かにし、互いに尊重し合う行動、モノ、考え方”たみ~ずあい”を展開中。
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