CHIAKIほおずきの介護事例発表会とは?

  • 法人内17事業所が一堂に集まり、気づきを得ることを目的とした介護事例発表会を年に一度開催しています。
    法人の基本理念である『利用者の笑みがこぼれる暮らし』に繋がるテーマを設け、事業所全体として半年以上取り組み、発表します。 長期の取り組みにより、職員一人一人のスキルアップに繋がっています。
  • 利用者の暮らしに良い影響が出ることで、職員のモチベーションが上がり、離職率の低下に繋がっているように思います。利用者理解や職員同士のケアに対する考え方の共有が図れ、チームとしての一体感が高まり、事業所愛が深まっています。
    また、他事業所の取り組みを知ることで更に各事業所の実践力の向上に繋がり、ひいては法人全体の質の向上・スキルアップに繋がっています。
  • 各事業所入社3年目までの職員が発表者となり、発表会には新卒新入社員内定者も参加するため入社後のキャリアアップのイメージにも役立っています。外部の専門家の審査員や法人代表者をはじめとする各事業所管理者等が公平に審査を行い、専門家による講評やミニ講義を行うことにより、取り組みの研修効果を高めるようにしています。
  • 優秀な取り組みを表彰し、全体講演会で発表する機会を設けています。
    入社3年までの職員が発表する事はその後の大きな自信となり、モチベーションが高まり、実践力の向上に繋がっています。

外部審査員の声をご紹介します。

外部審査員より

「外部審査員より」

石川 立美子氏 いしかわ たみこ
介護共育研究会代表
 
「おとな(介護職)の研修」について研究。デンマーク、カナダ、アメリカなどを訪問し、福祉先進国の現場を体験。現在は、豊富な経験と知識をもとに、コンサルタント業務・研修講師・地域づくりアドバイザー・雑誌連載など多分野で活動。
本人の目線(アイ)・思いやり(愛)・主体的な私(I)を大切にした、石川立美子の目のつけどころ(アセスメント)から、暮らしを豊かにし、互いに尊重し合う行動、モノ、考え方”たみ~ずあい”を展開中。
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2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」

連携・協力と安心安全の介助

連携・協力と安心安全の介助
発表者:M・T
CHIAKIほおずき姫路南条
デイサービス

対象者 K様 90歳 要介護5 女性

身体面

・寝たきり
・胃ろう
・皮下出血しやすい
・表皮剥離しやすい
・関節に拘縮がある
・右腕肘関節より胸前にて拘縮
・左腕伸びきった状態にて手首外向きに拘縮

※以前には
・右大腿骨頚部骨折
・左大腿骨頚部骨折
・右上腕骨折

屈曲拘縮・・・関節が曲がった状態で伸びなくなる。
伸展拘縮・・・伸びた状態で曲がらなくなる。

 

日中の過ごし方

来所後フロアにてバイタル測定
皆様と一緒にフロアにて過ごす
状態観察とケア・処置を必要時おこない⇒入浴
入浴後はベッドにて過ごす
胃ろうよりラコール400ml投与後、白湯50ml投与
バイタル測定
胃ろうより白湯50ml(15時)投与
口腔ケア
バイタル測定
パット交換・陰部洗浄

皮下出血

皮膚は大きく分けて3層構造になっており、
一番上の層から「表皮」⇒「真皮」⇒「皮下組織」
となっています。
この皮下組織部分に出血した事をいいます
出血し血腫(血のかたまり)ができること
表皮剥離しやすい状況にある

「K様が起こりうる状況」
・移乗時、車椅子の肘掛にぶつけてしまった為に起こりうる
・移乗時、抱える職員が力を入れ握ってしまった為に起こりうる

表皮剥離

高齢になると皮膚の細胞が減少
→代謝機能の低下
→肌の皮膚が薄くなる
→免疫細胞も衰える
→表皮剥離しやすくなる
「特に皮下出血、乾燥している部位に起こりやすい」

※介護職員の注意点
爪は伸びていないか
移乗時ぶつかる物はないか
拘縮部位・皮下出血部位の把握はできているか

「K様が起こりうる状況」
・入浴の際に衣服やストレッチャー等に擦りすぎてしまった為に起こりうる。
・着替える際、衣服が強く擦れた為に起こりうる。
・清拭の際、タオルが強く擦れた為に起こりうる。
・移乗時、車椅子にぶつかった為に起こりうる。
・移乗時、抱える職員が力をいれ握ってしまった為に起こりうる。

拘縮

関節周囲組織が障害されて、関節が固定し
他動的に動かす事が出来なくなった状態。
怪我、病気(廃用症候群)による寝たきりにより
長期的に身体を動かさない状況が続いた
※注意:可動域を見極める必要あり

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2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」

清潔保持。(拒否がある方)

清潔保持。(拒否がある方)
発表者:K・K
CHIAKIほおずき姫路香寺
グループホーム

対象者 H・T様 80歳 介護度3 男性

  1. 心理的特長
    • 寒いのが嫌い。
    • 便秘の際は、不機嫌。
  2.  環境的特長
    • 脱衣室が少し乱雑。
    • 声掛けのタイミング・人・入浴時間
  3. 身体的特徴
    • 歩行:独歩
    • 髭:かため
    • 右肩:昔、野球をされていたため痛みがある。
    • 腹部:便秘症
    • 皮膚:乾燥肌・かかと・すね(ガサガサ部あり)

3つの視点を複合的に考え、3方向から利用者様の清潔保持を考え、より気持ちよく・安全に、尚且つ心身面を職員が理解しながら取り組んでいく事を目標とする。

<高齢者の清潔保持の基本姿勢>

① 皮膚の清潔を保持することは、皮膚の新陳代謝を高め、感染を防止する。
➁ 清潔ケアを行う場合には、利用者様の清潔習慣を尊重し、利用者様の同意を得てからケアを行う。
③ 手早く清潔ケアを行い、寒さを感じさせない。
④ 清潔行為を通してリハビリも兼ねる。
⑤ 利用者様のコミュニケーションの場でもある。

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2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」

お風呂っていいな~ 

お風呂っていいな~ 
発表者:M・Y
CHIAKIほおずき神戸玉津
グループホーム

CHIAKIほおずき神戸玉津の施設で入浴についての問題、課題を職員で
検討しました。入浴方法、ケアを今一度見直す事になりました。

■問題■

「入浴はみなさん喜んで入ってくださっている」「お風呂は好きと言われる方ばかり」
と肯定的な意見が多くを占めましたが、ふと
「各入居者様に出来る事をして頂かず、職員主導で効率重視の入浴介助を行っている可能性」
という、思いや意見が職員から上がってきました。

■課題■

現在の各入居者様が何が出来るのか?何を思っているのか?を職員全員で情報収集し、
課題を検討しました。
今回の事例では、一人の入居者様に焦点を合わせるのではなく、GH入居者全員の課題にし、
職員全員の意識も高める事が出来る事にも繋がる為に行いました。

<ほおずき神戸玉津の現状>

入居者様の半数以上の方が開設時よりご入居下さっており、年を重ねられ、
徐々に重度化しております。

<情報の整理>

●A様
他の職員は認知症の進行もあり、身体は職員が洗っていましたが、ある職員の情報収集からすると、
「タオルを渡し、声かけし、身体を洗って頂く伝えると、本人様の出来る範囲で洗って頂けます。」
とあり。

●B様
全介助が必要な方で、身体を動かす事が難しいと思った。職員がほとんどですが、ある職員の
情報収集からすると、
「何度か声かけをすると、腹部を洗って頂けます。」とあり。
etc…

違う職員の視点、気付きは勉強になり、入居者様の自立支援にも繋がります。

 

<入居者様自身が行える事の情報共有>

・洗髪が出来ないと思っていた入居者様を職員で介助していたが、他の先輩職員からの
情報とアドバイスで、入居者様が出来る事を再認識する。
・認知症が進行し、物事を混乱する方には、声かけと手すりへの指差しで対応し
安全に浴槽に入って頂ける事が可能である。
etc…

<入居者様のお風呂への想い>

高齢者の方は身体を洗って、浴槽につかりゆっくり浸かる事が楽しみであり、
リラックスし、温もる事が大事だと思っています。
現代人は浴槽に入らない事が多くなり、シャワー浴で済ます事が多くなっています。

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2016年度テーマ「入浴・身体の清潔保持」

高齢者のお風呂について考える

高齢者のお風呂について考える
発表者:T・Y
CHIAKIほおずき姫路阿成
グループホーム

【入浴の意義や大切さについて】

①身体を清潔にすることと
②リラックスすること

  対象者①H・U様 98歳

≪主な病歴≫
・陳旧性心筋梗塞
・心筋梗塞
・不眠症
・高血圧
・腹部大動脈瘤

対象者②O・Y様 95歳

≪主な病歴≫
・多発性脳梗塞
・高血圧
・胸椎圧迫骨折
・アルツハイマー型認知症
・左大腿骨骨折

対象者③T・K様 87歳

≪主な病歴≫
・脳梗塞
・脳血栓
・右大腿骨骨折

■問題点■

<T・K様>
入浴する事は理解できるものの衣類の着脱や座位姿勢の保持を負担に感じ、拒否傾向にある。

<O・Y様>
理解力低下により入浴する事を理解できない事が多くなっている。

<H・U様>
入浴する事は理解できるものの、寒さや羞恥心から衣類を脱ぐ事を拒否する事が多い。

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2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

歩行への不安を取り除く

歩行への不安を取り除く
発表者:O・S
CHIAKIほおずき神戸垂水
デイサービス
対象者  I 様 要介護3
・足が思うように動かず、歩行への不安から外出が億劫になり引きこもりがちになってしまっている。
歩行への不安を少しでも取り除くことで外出への意欲向上。
・少しでも不安なく歩けるようになることで利用者様のしたいことを叶え、日常生活をより豊かに過ごしていただく。
・アルツハイマー型認知症
昨年8月から利用。夫と二人暮らし
歩行は不安定 ⇒ 手引き歩行が必要
夫と散歩に出かけることがある
歩行への不安が強い
週一回のみの利用
帰宅願望や来所拒否が強い
アセスメント
ご本人:自宅玄関前の階段でこけたことがある。外を出歩くのが怖い。
⇒自宅内では一人で歩けているが、外出時はなかなか足がスムーズに動かない。
家族(夫):介護が出来る間はこのまま自宅での生活を続けて行きたいが、自分も持病があって通院しているので限度がある。
⇒なるべく一緒に散歩に出かけているようにしているが、ご主人も無理が出来ない為2~3分の散歩のみとなっている。
外出の機会が十分に確保できず引きこもりがちになっている。
居宅のサービス計画書
⇒外出の機会が減っており、意欲低下の可能性がある。
外出の機会や訓練によって機能の維持・向上
歩行の機会が増え、安定した歩行で外出ができる。
通所介護計画書
⇒ふらつきが見られるため、両手引きにて安心して歩行して移動していただけるように支援。
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2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

② 2015年度『がんばったで賞』

私がやりたいこと

私がやりたいこと
発表者:K・K
CHIAKIほおずき揖保川
デイサービス
対象者 S様 要介護1
脳梗塞後遺症による麻痺のため、出来ないことが増えてしまった
自分で買い物に行けなくなってしまった
段差や車の乗り降りが難しくなってしまった
以前できていたことをやりたい
○ご本人の思いとして一番大きいものは・・・
→「買い物に行って好きな物を自分で選びたい」
→「ご家族の助けなく車の乗り降りが安心して出来るようになり買い物へ行きたい」
○買い物に行けるようになるために・・・
→「現状ご本人一人で行くには危険が大きい」
○ご本人一人で危険が大きいのならば・・・
→「ご家族と一緒に店まで車で行くことで解消」
○ご家族の思い…
→「自分も高齢になってきており、背中も曲がり膝もしっかりと伸びなくなっており、
車の乗り降りを助けたくても助けられないという不安があるため、現状では一緒に買い物に行くことが出来ない」
○その店まで行くために・・・
→「車への乗り降りが出来なくてはならない」
これらを踏まえて、ご本人・ご家族にもご理解頂き、
大目標を
「買い物に行って好きな物を自分で選びたい」
小目標を
「車の乗り降りができることでお店まで行きたい」
としました。
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2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

”自分らしく”を支える援助

”自分らしく”を支える援助
発表者:K・R
CHIAKIほおずき高砂
デイサービス
対象者 S様 要介護3
腰椎圧迫骨折にて入院
退院後、通所介護再開
“昔みたいに自分でできる事は自分でしたい”
強い意志を持っており、ご本人の意志を尊重できるよう検討し、援助に取り組むことにしました。
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2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

ひとり暮らしの持続の支援

ひとり暮らしの持続の支援
発表者:O・J
CHIAKIほおずき姫路高岡
デイサービス
対象者 A様 要介護3
一人暮らし
・自宅での転倒がある
・囲碁仲間が家に来てもベットで横になったまま対戦の様子を見ているのみ
・すり足歩行である、下肢筋力の低下
・ふらつきがある
・体重の減少
・手の力が弱い
・手すりを掴みそこねる
・デイではベットで休む事が多い
本人様の声
・食事中、お茶碗を持つ手がすべり、落としてしまう→握力強化
・手すりを掴み損ねる
・ふらつきがある  →下肢筋力強化
・すり足になってしまう
・デイサービスの食事がおいしい →栄養支援
・自分はこの家で生活していくしかないから・・・ →意欲支援
職員の思い
本人様が転倒することなく、自立した生活を支援したい。
デイサービスでの時間を楽しく過ごしてもらう事で より良い在宅生活も手助けをしていきたい。
”Aさんの思い・生活の支援をする為には、心身ともに体調を整え・体力・筋力をつけることも大事ではないか?”
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2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

~出来るようになる喜び~

~出来るようになる喜び~
発表者:S・Y
CHIAKIほおずき姫路香寺
機能訓練指導員
対象者 D様 要介護1
★ご本人様:息子様と二人暮らしである。
 お話がお好きで、他者との交流も図れている。
 杖歩行であるが、円背・すり足歩行であり、転倒のリスク高い。
 転倒により何度か骨折もされている。
 以前は庭いじりなどを趣味として楽しまれていたが、歩行状態悪化に伴い、
 外に出られることもほとんどなくなった。
度重なる転倒による自信の喪失「自分はダメや・・・迷惑かけてばかり・・・」
そんな中、サービス担当者会議を通して
「もう一度、庭を散歩できるようになる」という目標を立て、支援していくこととなる。
最終目標:安全に移動が出来て、庭を散歩することが出来る
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CHIAKIほおずき
2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

⑥ 2015年度『最優秀賞』

生と活のある食事を目指して

生と活のある食事を目指して
発表者:H・J
CHIAKIほおずき姫路津田
デイサービス
対象者 Y様 要介護5
生活機能訓練というテーマを受け
介護を必要とする人の生活にある希望や楽しみ、
その人らしい生活を築く為に必要な訓練として、何を支援できるのか皆で検討しました。
また生活する事とはどういう事なのか考えてみる機会を作りました。
食事(見守り、途中より介助が必要である。粥、ミキサー)
ご本人が自宅で一番楽しみにされている事:食事
家族は入院時と同じミキサー食を希望←生への不安
Y氏は少しでも形のある食事をしたい←活への希望
食事:スプーンとお箸をもう少ししっかり使えるようになれたらと思う

 

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