【相談内容】
Tさんは妻とふたり暮らしで、数年前より網膜剥離を患い視力の低下が著しく
目の前の物がぼやっと見える程度でした。
外出時は必ず妻が付き添っていましたが、自宅内は自力で移動されていました。
住み慣れた自宅なのでTさんは困ることはないとおっしゃっていましたが、
妻や周りの方は危ないと思われる場面があったようです。
【相談員の対応】
介護保険で住宅改修ができることを説明してはいましたが
Tさんは手すりなどの必要性は特に感じておられませんでした。
何ヶ月か経った時に妻の方から勝手口に手すりを取り付けられますかと聞かれました。
事情を伺うと、勝手口出てすぐ横が畑で、一日に何度も畑の様子を見に行く際、
勝手口から出入りしているとのこと。すぐに改修業者の方と訪問し日常の導線を確認しました。
その結果、廊下の手すり取り付け・勝手口の手すり取り付けと段差解消を行うことになりました。
ところが勝手口の段差が40cm以上ある上勝手口降りて右手が開き戸になっていました。
ここに既製の段差解消台を設置し勝手口から降りたとしても、
今度は開き戸と外との間に新たな段差が生じてしまいます。
何かいい方法はないかと業者の方と相談し、
手すり付きの三段の螺旋状踏み台を別注で製作してもらうことにしました。
改修工事が終わり訪問しTさんに改修後の生活について聞いたところ、
「とても幸せな気分になった」とおっしゃいました。
今まで不便と思っていなかったことが、手すりを取り付けたり段差を解消することで
とても楽に生活できるようになり「幸せ」と感じられたとのこと。
畑にもひとりで気軽に出ることができているそうです。
自宅での事故は交通事故より多く発生しています。
ちょっとした工夫による住宅改修により住み慣れた自宅で
安全・安楽な生活を送って頂きたいと思っています。