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⑫
⑬「がんばった賞」
⑭「最優秀賞」
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①
対象者 M・K様 要介護1 86歳 女性
・県営住宅に一人暮らし 長女様が訪問し支援している
・長男夫婦らも協力されている
・平成27年8月中旬より利用開始
・平成28年10月より要支援2から要介護1に更新
・それに伴い週2回の利用から週4回の利用に変更
今の暮らしを続けたいとの希望あり、ご家族もそれに同意し、
一人でできることを続けてもらいたいとのこと
<<本人様のADL・周辺状況>>
平成26年5月 ペースメーカー装着
平成27年1月 腰椎圧迫骨折
平成28年9月 アルツハイマー型認知症の診断(ペースメーカー使用の為、MRI実施できず)
歩行、排泄、食事と自立されているが、洗濯や掃除、買い物などで
難しいこともでてきている。
食品管理で傷んだものを食べてしまい、腹痛になることもみられた。
季節に合わせた服の選択が難しいときあり。
(ご家族様より)
お風呂は入っていると言うが、洗髪・洗身はできていないように見える。
お風呂のことはなかなか支援できないので、
できれば週一回からデイサービスで入浴してもらえたらと思う。
でも自宅での入浴の仕方も忘れてほしくないので、
デイサービスでの入浴ばかりに偏らないようにしたい。
清潔ケアの目的とは?
①身だしなみや身体をきれいにする意欲を引き出すこと
②清潔ケアを通して自分でできることを増やすこと
③身体に病変や異常がないかを確認する機会にすること
「一人での暮らしを続けたい」本人の気持ち
それを支援していきたいご家族の気持ちがあるが、
お風呂等の清潔面に関しては難しい部分があるということ。
利用回数も増え、こちらでの支援の経過も分かりやすくなること。
話し合いの中で以上の点を踏まえて、家族が支援しにくいお風呂等の
清潔面をDSで支援できることで、ご家族も安心し、お一人での暮らしも
続けられることに繋がるのではないかと考えました。
②『2016年度最優秀賞』
対象者 Y様 80歳 要介護5
・夫と二人暮らし
・週3でDS、2週間に1回のショートステイ、訪問看護の利用
・H22年に進行性核上性麻痺の診断
・H28年には、大脳皮質基底核変性症の疑いも診断される
・現在、左上下肢不全麻痺、左手指拘縮が強い。
支えがあれば座位保持可、介助による立位保持1分程度可。
会話はできるが言葉は出にくい。言葉の理解はできる。
<<現状の入浴におけるサービス>>
(現在の計画書)
長期目標:自身で洗身行為ができ、清潔が保てる。
短期目標:できるところは自分で洗う。
(支援内容)
→行える部分の範囲で動く右手でフェイスタオルを持ち、胸のあたりと頸部、
大腿部を洗う。
→不十分なところも含め、残りの部分を介助にて洗身する。
(支援状況)
→フェイスタオルを手渡し、声掛けにて手の届くところを撫でるように洗う。
不十分なところは、介助を行う。
~既存プランの現状評価~
・今ある能力を使った支援を行っているが、残存能力を使うだけでなく、
その機能維持や自分でしてもらうことの意味を理解して支援できていたのか。
・生活のスタイルや入浴状況、思いの汲み取り部分が不十分であったのではないか。
・本人様の思い、残存能力の再確認
・在宅の浴室、支援環境の確認が必要。
現状から今後に向けて、ケアマネ、訪看、娘様に報告し、今ある
機能の拡大、洗髪洗身部分について、現場スタッフを含め情報を
共有しました。
~本人の思い~
・少しくらいであれば、手も足も動くので、身体を洗うこともできる。
・病気でだんだん身体も動かなくなるのが辛い。でも、出来るのであれば、自分で洗いたい。
・夫はせっかちで、すぐに怒るので、ほとんど話をしない。
(ケアプラン入浴支援の見直しと再共有)
・在宅入浴における環境と支援の状況の確認を行う。
・自己遂行の意欲が活かせる支援内容の検討を行う。
~環境確認~
・自宅内移動は車いす。
・自宅内段差部には、スロープがそれぞれ設置している。
・浴槽には、手すり等取り付けている。
(以前は、バスボードを使用して入浴できていた)
・入浴動作に関しては夫が全面に介助していた。
<<自宅訪問>>
・ゆっくりと自分のことも出来ていたが、病気の進行により、
ほとんどの動作ができなくなってきた。
・自分の身体の負担と病気が重なり、全介助での入浴が難しい
(以前は、福祉用具も利用していたが・・・)。
・じっと、妻の行動を待つことはできない。
・話しかけても、めったに返事をしてくれない。
~夫の思い~
自宅訪問による課題分析・評価
・移乗、移動動作は全て全介助。
・左半身の拘縮が強くなり、姿勢保持能力も低下してきている為、
介助が大変になってきた。
・ほとんど話をしなくなった(言葉が出にくい、すぐに反応がないので待てない、夫は難聴)。
・本人様の身体機能の悪化と夫の加齢と持病が重なり、自宅での入浴介助は負担となっている。
→夫の妻に対する能力の認識部分やコミュニケーション不足の他、
本人様を取り巻く環境面(夫の介護力含め)から、本人様の意向に沿った自宅での入浴は困難な状況。
③
対象者①Y様 女性 107歳
・歩行はシルバーカー使用
・円背で前傾で動かれる
・糖尿病性神経障害の為、手指の感覚麻痺がある
・膝の痛みの為、足が上がりにくい
・「出来ることは自分でしたい」と言われる
〔既往歴〕
高血圧症、糖尿病、腰椎変形側湾症
左変形性膝関節症、多発性脳梗塞、腎盂炎
白内障、胃潰瘍、肺炎、狭心症、心筋梗塞
これまでの入浴
アンケート調査より「足が滑って怖い」
浴槽に出入りする際、足が滑ることがある
→加齢に伴って足が上がりにくく、握力も低下
安全に、安心して入浴していただける方法を模索
対象者② H様 女性 85歳
• 認知症(アルツハイマー)、高血圧症、喘息
• トイレ頻回、歩行はシルバーカー、円背で前傾姿勢、デイへは週3回で、
リハビリに週1回通っている。入浴はデイのみ。
• 平成28年3月に自宅のフローリングで後方に転倒して入院、
腰背部痛が出現、レントゲン上胸腰椎多発圧迫骨折、港湾変形をみとめたが、
コルセット装着は現実的でないと判断された。
・3月中旬、当初疼痛や下肢筋力の低下が著明であったが、疼痛は軽減、
下肢筋力の向上が図れたため、退院の運びとなる。
入院中は入浴動作での恐怖心が強く入浴動作が行えなかったので、機械浴で入っていた。
自宅での入浴は困難な為、デイでの入浴を目的でご利用となる。
入浴に関して、
「家で入ってきた」「お風呂が好きではない」「段差が怖い」
と答えるなどネガティブな発言がある。
外部審査員の声をご紹介します。
「外部審査員より」
石川 立美子氏 いしかわ たみこ介護共育研究会代表
「おとな(介護職)の研修」について研究。デンマーク、カナダ、アメリカなどを訪問し、福祉先進国の現場を体験。現在は、豊富な経験と知識をもとに、コンサルタント業務・研修講師・地域づくりアドバイザー・雑誌連載など多分野で活動。
本人の目線(アイ)・思いやり(愛)・主体的な私(I)を大切にした、石川立美子の目のつけどころ(アセスメント)から、暮らしを豊かにし、互いに尊重し合う行動、モノ、考え方”たみ~ずあい”を展開中。
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