CHIAKIほおずき
2013年度テーマ「体調管理をケアに活かした取り組み」

発表テーマ

「BPSDが示す真実」

発表者:N・T
CHIAKIほおずき神戸伊川谷
グループホーム

目的

対象者 O様
平成23年12月下旬入所
・入所後は比較的、穏やかで家事手伝いなどして下さる。
・しかし次第に空腹感が強く、訴えも多くなる。
・興奮されることも増え、職員の腕を掴むことも…
・また、金銭面で混乱されることあり。
この時点では、時間の経過と共に、落ち着かれ、本人様より謝罪されることもしばしば

☆O様の暴言・暴力から他入居者様とトラブルとなる事案が増加
☆トラブルの回避と共に、O様のBPSDの裏側には、どんな感情があり、真実が隠されているのか?
※BPSDとは…「Behavioral(行動の) and Psychological(心理上の) Symptoms(症状) of Dementia(認知症)」の略称。
認知症による行動や心理の症状を指します。もの忘れなどの「中核症状」と対比して「周辺症状」と言われることもあります。
☆また、服薬だけに頼るのではなく、変化を促せる環境因子はないのか?を探ることにより…

目標『その人がその人らしい暮らしを、笑顔を取り戻す手がかりを探す。』

方法

・ケアカンファレンス実施
☆入所前より、幻視、物忘れ、失見当職強く、家人への威圧的態度、暴言あり。
☆ほおずき入所後に右大腿部頸部骨折で入院し、その前後から興奮状態になること増加、
感情の起伏が多々見られるように。
☆腰の痛み、臀部の痛みからの苛立ち?

・協力医であるDr.との連携、薬の調整を実施
☆退院後は声かけに反応あるものの、傾眠強い。
Dr.に状態報告し、眠気やふらつきは、リスパダールの影響が考えられるとのことで服用中止。
☆徐々に状態も改善し、活気がもどってくる。

☆回復に伴い、混乱から苛立ち、興奮状態に陥ること増加。
☆男性入居者に対しての強い口調、暴力行為など見受けられるように…

・薬の調整
☆以前よりも感情の起伏が激しく、興奮される時間も長い。

★興奮状態に対し、チアプリド錠処方
一時は落ち着かれるも、傾眠強くなり、食事量に影響が…

・認知症の詳細を把握していない為、精神科医の協力のもと、個人因子である中核症状に対応する。
☆改めて認知症検査を実施する為、精神科医の協力のもと検査を実施。
☆行動の抑制の働きをする脳の前方と海馬の萎縮が見られ、アルツハイマー型認知症の所見であるとのこと。
☆アリセプト服用後に、暴力行為などの症状が見られているため、2週間アリセプトを中止する。
☆過度の傾眠に関しては、チアプリド錠の量を調整する。

・環境因子へのアプローチ
☆もともと集団行動は好まれないとのこと

★趣味・趣向から解決策を…
息子様、奥様へアセスメント実施
ゴルフ、園芸、食事をされるのが好きだったとのこと

・職員間ではセンター方式を用い、日々の言動、バックグラウンドからBPSDの真実にせまる。

結果

現在では…
<状態の変化>
依然として、感情の起伏があり、混乱から苛立ち、興奮状態に陥ることがあるものの、回数は減ってきている。
他入居者様に対しての暴言、暴力も減少傾向。
食事、水分もしっかり摂取されるように

<徐々に心境に変化が…>
食事の手伝いや、他入居者様の輪に入り一緒にレクリエーションや行事に参加されることも。
体調が良好な時に積極的にコミュニケーション
好きな食べ物の話や、ゴルフの話をしてくださる。
・O様が「天ぷらが食べたい」とのことで外食にも行きました。
・職員がとけん玉を楽しむ
・ゴルフや園芸などで他利用者様とのコミュニケーションも増えました。

まとめ

・医療との連携により、医療面からのアプローチが可能に
・薬を投与することだけが認知症に対する解決策ではないということ
・BPSDの表面的な部分だけではなく、その意味を考えることによって、環境因子へのアプローチとなる

『より良いケアは、認知症の人だけではなく、援助者も幸せにする』