CHIAKIほおずき
2013年度テーマ「体調管理をケアに活かした取り組み」

発表テーマ

「腸!!元気で気分快適♪」

発表者:N・T
CHIAKIほおずき揖保川
グループホーム

目的

対象者 S様 要介護1
S様について
早くにご主人様を亡くしておられ妹様が1人おられる
ADLは自立されている
アルツハイマー型認知症
トマト・生ものが嫌い
家事全般されている(洗い物、洗濯、掃除など)
下痢をおこしやすい

・頻繁ではないが2~3日に1回はトイレにかけこまれることがみられている。
・日常生活において暗い表情をされる事が増えてきた。
・以前に比べて不安感や記憶力の低下が増してきている。

下痢の原因…食事環境、倦怠感、精神的ストレス、不眠、不安、不規則な生活など。

主治医・看護師からの意見
主治医の診断では感染症のものではない。

消化の良い食事の提供身体を温め血行を良くすることで腸の蠕動運動を整える
ストレスを受けにくい環境で介護していく

原因として

食事をよく噛まずに飲み込まれる事がある。
家族様への思いや金銭の心配をされる。
利用者様との会話などにて表情が暗くなる。
入浴時間が短く身体を温めることなく出られる事が多い。

これらを解決して 下痢症状の改善を目指します。

方法

S様の日常生活の中での様子を書き込むノートを利用し、
週1回のミニカンファレンスを行い情報共有を行いました。

具体的実施方法
①食事
・消化と吸収が良く食物繊維をバランスよく摂取できているか。
食事内容を見直し、一工夫していく。(緑黄色野菜、豆腐、白身魚、鳥ささみ肉など)
・飲み物(水分)において下痢症状を誘発しないカフェインの少ない物を提供した上で
充分に水分を摂り、脱水を防ぎ体調管理を行う。
(ほうじ茶、リンゴジュース、味噌汁、ハーブティーなど)
・消化の促進を図るために、口腔体操に合わせてよく噛んで食事を摂って頂くよう勧めていく。

<食事内容>
消化と吸収が良く、一工夫した食事を提供する。

食事

 

 

 

 

 

 

<口腔体操>
・消化の促進を図るため口腔体操を行う
・よく噛んで食事をして頂くようお声かけをする。

②入浴
・入浴時間…食後から30分以上の時間をおいたうえで就寝直前を避けた入浴をすすめる。
・お湯につかる時間…15分程度でみぞおちまでの半身浴
・お湯の温度…40度のぬるま湯。(熱いお湯は交換神経を活発にし、心臓への負担になる)
・マッサージ…入浴時に腰部をマッサージし、腸の活動リズムを作る。
<入浴>
・日替わりで入浴剤を使用し、リラックスして頂く。

入浴

 

 

 

 

 

 

 

・半身浴にて身体を温め血行を良くし、マッサージをする事で腸のリズムを整える。

③ストレス
・ラジオ体操、生き生き100歳体操を継続して行う事でストレス軽減と体力をつけ免疫力の向上を行う。
・散歩(外出)や日課とされている家事作業により、気分転換を行いストレスの軽減を行う。
(外出についてご家族様のご協力も仰いでいく。)
・日常生活においてご本人様が不安やストレスを感じている時を記録していきスタッフ間で共有していく。
<ストレスの緩和>
・日々の体操を継続しストレスの軽減と体力をつける。
・新鮮な空気の中での気分転換をして頂く。

S様の個別ノートを作り、日々の生活状況を職員が記入し、その情報を元に職員同士の連携と情報共有を図っていきました。

結果

現在では…
・食事…食事をゆっくりとよく噛んで食べられるようになった。
・入浴…マッサージに本人様も喜ばれて、リラックスした状態で入浴を楽しまれていた。
・ストレス…体操や散歩など適度な運動により、不安の頻度も下がり夜間もよく休まれている。

下痢症状の頻度が3~4日に1回程と下がってきたが、気候や本人様の状態変化により頻度が増えてくる可能性がある。

今後は
食事…献立の見直しや咀嚼意識を高めて頂く事で、排泄の改善に繋がった。
今後も利用者様の病状に合わせた食事提供のありかたや工夫を模索していく。
入浴…入浴におけるリラックス効果が高くみられたので、各利用者様の趣向を確認しながら入浴環境を引き続き整えていきたい。
ストレス…適度な運動によりストレスの緩和はみられたので、
今後は入居者様のストレスについてより深く原因をさぐっていき、
他入居者様との良好な関係性作りや雰囲気作りといった生活環境を見直していく必要があると感じました。
ご家族様をはじめ主治医・看護師から様々な情報提供やアドバイスを受ける事ができ
ケアに活かしていく事ができました。
情報共有と連携を今後も充分に図り、チームアプローチを行っていく事で入居者様の体調管理につとめていきたいと思います。

入居者様の一つの事象について日常生活全般を包括的にみていく必要性があるので、
日々の入居者様の様子を様々な視点でみることが出来るようになりスタッフ間の情報共有とチームワークの大切さを再確認できました。

まとめ

今回の課題として『食事・入浴・ストレス』の3点に視点を置き、
職員間での『報・連・相』を元に情報共有して取り組みました。
これまでは状態に対しての対処に目を向けてしまいがちになっていましたが、
ケアプランとして捉え実践していくにあたり、今まで見れていなかった視点に気付き
チームケアの大切さを改めて実感する事が出来ました。
ご家族様を始め主治医・看護師との連携も更に充実を図り体調管理を行っていく事で
入居者様が自分らしく”超”元気に生活する事が出来る環境を作っていきたいです。