CHIAKIほおずき
2015年度テーマ「生活機能向上の取り組み」

発表テーマ

「歩行への不安を取り除く」

発表者:O・S
CHIAKIほおずき神戸垂水
デイサービス

目的

対象者  I 様 要介護3
・足が思うように動かず、歩行への不安から外出が億劫になり引きこもりがちになってしまっている。
歩行への不安を少しでも取り除くことで外出への意欲向上。
・少しでも不安なく歩けるようになることで利用者様のしたいことを叶え、日常生活をより豊かに過ごしていただく。
・アルツハイマー型認知症
昨年8月から利用。夫と二人暮らし
歩行は不安定 ⇒ 手引き歩行が必要
夫と散歩に出かけることがある
歩行への不安が強い
週一回のみの利用
帰宅願望や来所拒否が強い
アセスメント
ご本人:自宅玄関前の階段でこけたことがある。外を出歩くのが怖い。
⇒自宅内では一人で歩けているが、外出時はなかなか足がスムーズに動かない。
家族(夫):介護が出来る間はこのまま自宅での生活を続けて行きたいが、自分も持病があって通院しているので限度がある。
⇒なるべく一緒に散歩に出かけているようにしているが、ご主人も無理が出来ない為2~3分の散歩のみとなっている。
外出の機会が十分に確保できず引きこもりがちになっている。
居宅のサービス計画書
⇒外出の機会が減っており、意欲低下の可能性がある。
外出の機会や訓練によって機能の維持・向上
歩行の機会が増え、安定した歩行で外出ができる。
通所介護計画書
⇒ふらつきが見られるため、両手引きにて安心して歩行して移動していただけるように支援。

方法

週一回の利用であるが、来所拒否が強い。
来所されても帰宅願望があり、精神面の不安から泣き出すことも・・・。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
十分な機能訓練が困難
1度機能訓練を中止し、職員同士で話し合うことに・・・
昨年10月(利用開始2ヵ月後)
ご主人の体調が悪化し、なるべくご主人が一人で安静に過ごす時間が欲しい。
⇒週5回の利用に変更
これがきっかけで来所されなくても同じ職員が毎日迎えに行くことで、特定の職員の顔を覚えていただき少しづつ来所される日が増える。
ある日・・・(12月初め)
他者が機能訓練を行なっていると・・・
「私もしていい?」
I様との信頼関係が深まっていくのを感じ・・・
「もう一度以前のようにお父さんと散歩がしたい。」
「歌うのは苦手だが大好きなカラオケに行きたい。」
本格的な機能訓練開始

昇降

 

 

 

 

 

 

 

 

足

 

 

結果

現在では…
☆歩行時の不安な気持ちを発することが少なくなり、スムーズに歩けるようになった。
☆手引き歩行なしでも見守りのみでフロア内の歩行が出来るようになった。
☆趣味のカラオケにも積極的に参加されるようになった。
☆外出行事にも参加され、不安の声も少ない。
☆DSへ行くと大好きな人ばかりで楽しいと言っていただけた。

まとめ

・歩行への不安が減少したことで、楽しみが増え生活が豊かになったと考えます。
・機能訓練実施時だけでなくても、普段の歩行時から不安を忘れさせるような関わり方をすることでより充実した機能訓練が行なえると考えます。
反省点
・機能訓練の目的を履き違えていた。
(身体機能そのものの回復を主たる目的とする訓練 ⇒ ×)
・I様の心身の状態を考える必要があった。
・利用開始時、機能訓練に取り組む以前の問題があった。